#34 富士そばが演歌を流す理由
こんにちは。ラブビートです。
今日も押し付けずに言いたいことを言います。
1966年に立ち食いそば屋として渋谷109前にオープンし、現在は一都三県で82店を構える関東有数のそばチェーン、富士そば!!
この富士そば、店内には常に演歌が流れていて、常にホッとした雰囲気で私たちを迎え入れてくれます。壁にも演歌のポスターがたくさん貼られていて、よく見ると作詞には「丹まさと」の名前。実は、富士そば社長の丹道夫さん、富士そば経営も軌道に乗った55歳のときに、作詞教室に入学。「丹まさと」の作詞家名で、これまでに30曲以上をCDとして発売。そのなかには五木ひろしさんの歌まで含まれています。
なぜ丹さんは、これほどまでに演歌にこだわるのか。実は愛媛の片田舎で貧しい少年時代を過ごしていて、そのときラジオから流れてきた演歌に自分の身を重ね、涙したことがあったそうです。
そんな経験から、富士そばは24時間演歌を流し続ける立ち食いそば屋(実際にはほとんどの店にイスがありますが)となったのです。
「誰しも、人に言えない悩みや苦しみを持っているもの。おせっかいをするつもりはありません。ただ、店に流れる演歌が、お腹だけでなく、お客さまの心も満たしてくれるのであれば、これに勝る喜びはないのです」そう丹さんはおっしゃります。
立ち食いそばやファストフードのお店では、長居をすると文句を言われそうで、食後はすぐに出て行ってしまう人がほとんどだと思います。仕事に追われて手早く食事を済ませたいけど、少しでも心を休めたい。そんなときは、富士そばで少しの間、演歌に耳を傾けたいですよねぇ。
僕は、金曜日の会社の人とのくだらない飲み会の後とかに、逃げるように自宅の最寄り駅の富士そばに駆け込みます。
大抵、2玉盛りセット(コロッケチョイス)を頼みます。
そして、ゆっくり食べるんです。ゆっっっっくりと、携帯も見ずにただひたすら穏やかにそばに向き合うんです。
その時、耳には演歌が流れています。
だれの曲とか正直わかりません。なんなら、全部同じ曲に聴こえます。だけど、なんだか落ち着くんですよねぇ。何聴いてるのかわからないのに。
演歌って個人的には「聴いている側は、最もリズムを取らない音楽ジャンル」だと思っているんです。つまるところ、聴き流しやすい音楽。それってつまり、最も心地よいという意味だと思うんです。
外の雑踏とは一線を介する空間。富士そば。
どうしてもチェーンの蕎麦屋さんは、忙しい昼時にせわしなくそばをかき込む空間というイメージが強いかもしれませんが、心が乱れたときに行ってみてください。
そこには、ただ無心でいられる、心のデトックス空間が広がっています。
この記事に根拠はありません。それでも僕は言いたいことを言いました。
受け入れなくてもいいです。新たな意見が生まれてもいいと思います。
『周波数はあなたのラブビート』